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原鉄道模型博物館 少年のころの夢を生涯持続した原鉄道模型

―― たかが道楽の模型と侮るなかれ 趣味も極めれば美術・工芸品
 
 幼子のころには動くものに関心が向けられ、それが汽車や電車になって与えられた玩具で遊ぶうちに、やがて運転手になって大きな列車を動かしたいとかいう夢を抱くようになる。
 不思議とこういった夢を抱くのは男児に多く、長じてからは運転手にならずとも、その夢が成長の過程で分化し持続して、より専門的分野に特化してゆくと、趣味の撮り鉄とか、あるいは鉄道模型の制作などに強く傾倒していくのではないかと思う。

 東京生まれの原信太郎も、そういった男児の一人だったのかもしれない。
 しかし、この男の場合、子供のころに好きになった汽車や電車の模型を自作するうちに、ついに国の内外を超えて実在していた列車を、より実車に近い精巧なものにまで極めるのを生涯の趣味とした男だった。

 今回訪れた、横浜市内にある「原鉄道模型博物館」は延床面積約1,700㎡の博物館で、原が生涯をかけて収集・再現した総数6,000両ともいわれる膨大な鉄道模型を始め、国の内外の多くの貴重な鉄道関係資料などを元に、2012年に開館した質・量ともに世界最大級の鉄道模型博物館といわれている。

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 博物館のエントランス
 横浜三井ビルディングの2階へ直通エスカレーターで上がる。

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 「いちばんテツモパークジオラマ」
 ジオラマ面積は310㎡で、一般公開されている1番ゲージ(軌間45mm)の鉄道模型レイアウトとしては、世界最大の巨大レイアウト。

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 1番ゲージのSL、電車、トロリーなどの軌道が走り、駅舎、機関庫、街などの関連施設が精巧に再現されており、見ているだけでも楽しい。

 開館当時は、走行車両などの撮影は禁止されていたが、現在は三脚、フラッシュの使用をしなければ撮影は可能となっている

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 普通の鉄道模型は、敷かれた二本の線路から動力用の電気を受給しているが、原模型では、実車と同じように鉄の車輪を使い、鉄の線路と架線から受電して走行している。

 また列車本体には、ギア、板バネ、ベアリング、ブレーキなどにも実車で使われている技術を盛り込むなど再現性を極めた結果、走行音や惰力走行など、いままでの鉄道模型では味わえなかったリアリティを感じることができる。

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 「動鉄実習」の風景
 設置されている本物の運転台では、「いちばんテツモパークジオラマ」を走る1番ゲージの鉄道模型に搭載されたカメラから撮影された画面を見ながら、実車のように列車を運転できる。

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 鉄道模型のゲージ(軌間)規格による比較 
 19世紀ごろから欧米で始まった鉄道模型の趣味の世界では、収集したり走らせて楽しむために、ゲージ(軌間)とスケール(縮尺)の統一規格が定められている。

 ここで示されているように、ゲージ規格は大きさによってZ(6.5mm)、N(9mm)、HO(16.5mm)、O(32mm)、1番(45mm)などがあり、それにスケール規格が対応するので、模型の大きさも違ってくる。

 写真の一番下にある1番ゲージ(対応縮尺1/30.5)の原模型が、いかに迫力のある大きいものであるかが良く分かる。

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 第一展示室「原模型の真髄」
 制作された原模型のうち、代表的な模型を展示している。

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 増田屋の「ゼンマイ式電車のおもちゃ」
 これは原が子供のころに買ってもらったゼンマイで動く電車のおもちゃで、大人になっても幼児のころのおもちゃを大切に残していたことが驚きだ。

 増田屋(現 増田屋コーポレーション)は、創業1724年(享保9年)の玩具・雑貨の老舗で、現在も列車など様々な幼児向けのおもちゃを製造・販売している。
 
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 初めて作った鉄道模型「自由型電気機関車8000号」
 小学校のころに、トタン板や針金など身の回りの手に入る材料(車輪とモーターは市販品を転用)で初めて作った想像上の鉄道模型で、原模型の原点となった。

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 世界的な鉄道愛好家である原信太郎
 1919年に東京に生まれ、小学生のころから本格的な鉄道模型の制作を始め、海外の鉄道関係への知識探求の過程で中・高時代からの語学の習得や東京工業大学機械工学科での鉄道技術の勉学を続けた。

 従軍帰国後、事務機メーカー「コクヨ」の創業者の娘と結婚し、入社したコクヨでの社業の活躍の傍ら、延べ380カ国へ渡航し海外鉄道資料の収集を行いながら模型造りを続けた。
 2012年の鉄道模型博物館の開館を見届けた後、2014年7月5日に永眠した。

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 原の鉄道愛好趣味を支えたのは、裕福な経済環境だけでなく、家族の理解があってこそのことだった。

 資料収集のための多くの海外渡航には、家族も連れて行った。自分の好きな趣味を続けるためには、身近な家族にも好きになってもらうという戦略もありということだろう。

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 模型工房の再現
 自宅にあった専用の模型工房を、ここに再現している。

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 原が使用した当時のフィルムカメラ
 ここには原が撮影した10万点の写真画像や延べ440時間に及ぶ16mm、8mm、VTRの動画、内外の鉄道関連書籍、アンティーク模型、鉄道プレートなどの稀少なコレクションも多数収蔵・展示している。

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 「原模型の秘密」
 模型といえども実車の再現に迫るため、様々な車両の技術が盛り込まれている。

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 原模型のこだわりは細部にまで配慮され、美術・工芸品の域にまで高められている。

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 精密に制作再現された鉄道模型
 阪神電気鉄道311形313(上)
 関西で流行した5枚窓とブルーの車体が印象的な電車

 スイス国鉄 Ae4/7形(下)
 ブッフリ式駆動装置を搭載した電気機関車

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 箱根登山鉄道チキ形チキ1
 箱根山を登った美しい木造の登山電車

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 『或る列車』
 明治末期に計画されながら、導入されずに幻となった列車を、資料などから再現したもの。

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 第2展示室「語る模型」
 収集あるいは制作した鉄道模型を、歴史・文化のテーマごとに展示している。

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 京都市内にある梅小路機関区に収蔵されている蒸気機関車を原が制作再現した20両の模型

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 「原鉄道模型博物館」
 横浜市西区高島一丁目1番2号 (みなとみらい地区)
 横浜三井ビルディング2階
















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