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 今日の一献 35㎜距離計連動式コンパクト蛇腹カメラ コダック レチナⅡa

―― コンパクト35㎜カメラ『レチナ』シリーズの頂点を極めたカメラ

 ライカやコンタックスがレンズ交換式の35㎜システムカメラの開発を目指したのに対して、レチナは当初、折り畳みのできる古典的な蛇腹を利用した小型化による携帯性に優れたコンパクト化を目指したカメラだった。

 ドイツ語で目の網膜を意味する『レチナ(Retina)』ブランドのカメラは、パトローネ入りの35㎜フィルムを開発したアメリカ・イーストマンコダック社が、そのフィルムの普及を狙ってアウグスト・ナーゲル博士の経営するドイツ・ナーゲル社と合併して設立した「ドイツ・コダック社」によって、1934年に販売が開始されたオリジナルレチナと呼ばれる「タイプ117」から始まる。

そして、以後30年間という長期にわたって『レチナ』ブランド名で様々な形態の機種が開発され、最終機となった1964年発売の「レフレックスⅣ」まで続いた一連のカメラだった。

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 1934年に販売開始した最初機の「タイプ117」は、距離計がないモデル(Ⅰ系列・廉価版)で、距離計連動式モデル(Ⅱ系列)は1937年発売の「レチナⅡ」から始まるが、以降二つのモデルは並存しながらそれぞれ様々な改良が図られ進化していく。

 そこで高スペックの距離計連動式モデルのⅡ系列を辿ってみると、それまでフィルムがダイヤル巻き上げ式だったものが、1951年1月発売の「レチナⅡa」からレチナ式巻上げレバーとなり、シャッターチャージも連動して速写性を高め、『コンパクト・レチナ』シリーズの頂点を極める。(また、ストラップ金具もこの時から付いた。)

0-00cam91603のコピー

 こののち、1954年の「レチナⅡc」とセレン式露出計を組込んだ「レチナⅢc」から、ボディはそれまでの直線を基調とした八角形のデザインから曲線を基調とした大きなデザインに変化し、重量も嵩むようになり、そのコンパクト性は失われていく。
さらに1958年発売の「レチナⅢC」では、標準レンズに加えて35mmF5.6と80mmF4のレンズが用意され、前群交換式のステムカメラへとスペックアップが図られるが、そのスタイルはグロテスクと言わざるをえないものとなる。

 そして1958年の「レチナⅢs」になって、レンズ交換時には、もはや邪魔でしかなくなっていた格納前蓋を取払い、それまでの『レチナ』の個性を特徴づけてきた蛇腹を放棄してデッケルマウントによるレンズ交換カメラとしたことで、「コンパクトカメラ『レチナ』」は終焉を迎える。

 しかし、その後も『レチナ』シリーズの開発は、シャッター優先AEを搭載する「オートマチック」へと進化していき、最後は時代の要請に応えるべくレンズシャッター式の一眼レフカメラ「レフレックス」にまで発展して終わる。


 したがって、ここで紹介する「レチナⅡa」は、「コンパクト35㎜カメラ『レチナ』シリーズのまさに頂点を極めたカメラ」だったとわたしは思う。

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〇 レンズとシャッターの機構
 レンズは、芯のある柔らかさと透明感のある繊細な描写が美しいとの評価のあった、ドイツ・シュナイダー(Schneider Kreuznach)社のクセノン(Xenon) 50mm の明るい f2.0(4群6枚構成のガウスタイプ)が付いている。

 シャッターは、後期型シンクロ・コンパー(SYNCHRO-COMPUR)で、ドイツ式シンクロ接点がMXレバー切換え式。
 
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 シャッターは、後期型シンクロコンパー(SYNCHRO-COMPUR)で、シンクロ接点がMX切換え式。

 なお、1951年1月発売の「レチナⅡa」のレンズは、前期型はクセノン50mmF2のみだったが、7月以降生産された後期型にはヘリゴン50mmF2付きが追加されている。シャッターは、前期型はX接点付きコンパーラピッドだったが、後期型にはMX接点付きシンクロコンパーとなっている。

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 速度ダイヤルは B、1、1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、1/100、1/250、1/500秒。
 絞りは、f2、2.8、4、5.6、8、11、16まで。
 
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〇 焦点調節とフィルム巻上げ機構
 ピント合わせは、軍艦部の一眼式のレンジファインダーを覗きながら、鏡筒部にある焦点調節リングをレバーでスライドさせてレンズを前後させて行う。

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 ファインダーは明るく、ブライトフレームが浮かび上がっており、フレーム中央の二重像を重ねることでピント合わせを行う。
  
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 フィルムの巻き上げは、軍艦部の巻上げレバーを回して行う。 
 レバーの先にはローレットを刻んだ円盤が付いており、巻上げ操作がし易い。
 
 レバー巻上げでシャッターがチャージされる、優れたセルフコッキング機構を備える。
 フィルムカウンターは、逆算式となっている。

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 巻き戻しは、巻き上げレバーとシャッターボタンの間にあるボタンを押して逆転ロックを解除しながら、左の巻き戻しノブを回しながら巻き取る。
 この時代の巻戻し機構は、まだクランク式とはなっていない。

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 裏蓋の開閉は、左角にあるレバーを引き下ろしロックを外して行う。
35㎜フィルムのパトローネは左室内に装填し、フィルムは左から右へ移動し右にあるスプロケットで巻き取る。

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 そもそも『レチナ』は、アメリカ・イーストマンコダック社が開発した、一般大衆が使い易いパトローネ入りの35㎜フィルムを使うカメラとして開発された。

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 カメラの速写ケースは、上質な皮で作られている。


○ コダック「レチナⅡa」の仕様

○ Blog コダック レチナⅡa 20151203


〇 コダック「レチナⅡa」の取扱説明書と宣伝広告
 
 英語版の取扱説明書の一部

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 別バージョンのコダック「レチナⅡa」の取扱説明書の表紙(表裏)

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 コダック「レチナⅡa」の宣伝広告
 
● Blog 資料 コダックレチナ2a

 アメリカ・コダック社製品の宣伝広告
 
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〇 コダック「レチナⅡa」の撮影例

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 公園の森

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 JR名古屋駅の中央線ホーム

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 東海道二川の宿の本陣

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 東海道二川の宿(愛知県豊橋市)

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 JR名古屋高島屋のクリスマス飾り

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 小宅の庭の洋菊














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