〇 今日の一献 名城外堀に密やかな光を放つ ヒメホタル

―― 来て、見て、感動 自然が残る都心の中の光の群舞

 名古屋城の外堀に、陸生のヒメホタルが生息するのは知っていたが、昨年は時期を過ぎて惜しくも見られなかったから、今年こそはと夜半にパートナーと出かけた。

 普通は山間部に生息する日本固有種のヒメボタル(Luciola parvula) は、名古屋城外堀などの都心部に生息する例は少なく、全国的にも非常に貴重な存在だという。

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 SONY DSLR-A550
 TAMRON SP-A16 AF17-50mm F2.8
  ISO1600 マニュアル 開放

 ヒメ(姫)の名のごとく固体の身体は小さく、ゲンジボタルのように決して強い光を放たないが、密やかな光を放つ群生が乱舞する姿は誰しも心揺るがすに違いない。

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 ヒメホタルの出現は、名古屋城外堀にある「護国神社」や本町橋周辺で23時から翌2時の3時間ほど。
 ピークが5月末から6月上旬というから、是非、眠い目を擦りながらも一見されることをお勧めする。

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 訪れた5月20日の夜は、気温17.5℃、快晴。
 次の日のボランティアのウエブサイトでは、702匹が確認されたという。
 まだまだ、これからピークに向かうようだ。

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 再度訪れた5月23日の夜は、気温16℃ 晴れ 出現:1,513匹で、いよいよピークに近づく。

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 TAMRON SP-A16 AF17-50mm F2.8
 ISO1600 マニュアル 開放

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 日本固有種のヒメボタル(Luciola parvula)

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 名古屋市中区の大津橋南西たもとに建つ、案内板

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 なお、ここでは心強いボランティアの方々が、午前2時ころまで活動されているので安心だ。

 また、お出かけには、以下のサイトを参考にされたい。

 「来て!見て!名古屋城外堀ヒメボタル」 
 http://himebotaru.blog.so-net.ne.jp/


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 昨年は、6月に入ってからここを訪れたが、残念ながらすでに時期を過ぎて見られなかった。

 もう一度見たいと白いBMWを運転したお母さんと訪れた少女が、落胆しながら帰ろうとするわたしたちに向かって、わざわざ窓を開けて、車の中から「さようなら。また来年お会いしましょう。」と手を振ってくれたのに励まされたのだった。




#ヒメホタル #名古屋城外堀のヒメホタル



〇 今日の一献 三重県伊勢市の「お伊勢さん菓子博2017」へ行ってきた

―― 雨降り頻る中、遥々行って、見たが、買って食べられなかった 工芸菓子の展覧会

 明治44年(1911年)の東京市から始まって、戦時中の中断を挟みながら、ほぼ4年ごとに全国巡回で開催されてきた全国菓子大博覧会が、今年は4月21日から三重県伊勢市で開催された。

 招待券をいただいたものの、些事にかまけて時を過ぎ、いよいよ最終日が明日に近づいた土曜日、強い低気圧の接近で雨降り頻るのもめげず、遥々パートナーと三重県伊勢市へ出かけたのだった。 
 
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 展覧会の会場となったのは、伊勢市朝熊町にある敷地面積28,645㎡のスポーツイベント、コンサート、見本市などの多目的施設、三重県営のサンアリーナとその周辺。

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 11,000人収容のメインアリーナには「お菓子のテーマ館」と「全国お菓子出会館が設置されている。

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 メインオブジェは、巨大な工芸菓子で表現された、歌川広重の浮世絵「伊勢参宮・宮川の渡し」
 三重県内の100人の職人の分業による幅10m奥行き5.5mの和・洋菓子で制作された巨大な風景が展示されている。

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 巨大工芸菓子の「伊勢参宮・宮川の渡し」の一部

 この展覧会は、もともと街の和菓子屋さんたちが加入する組合の全国組織が開催してきた経緯から、物産展ではなく、職人の技を見せる工芸菓子の展示が中心で、菓子類の大量製造メーカーやパン、クッキー、ケーキ店などは参加していない。

 展示されている精巧な作品群は、全て食べられる菓子の素材で制作されたものばかり。
 全てが食べられるはずだけれど食べてもいいよと出されても、菓子職人の精魂込めた技と努力を思えば、食べるのが惜しまれて、どこから食べていいのかも分からなくて、きっと手を出せないだろうなと思う。

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 和菓子職人の渾身の技が光る花鳥風月の造形は、見る者を唸らせる。

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 愛知県安城市の両口屋菓匠の出品「御所車」

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 飴やチョコレートなどの材質を生かして、洋菓子職人も負けてはいない。

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 日本の春夏秋冬の美しい季節の移ろいを、その造形に生かした「生菓子は、和菓子の真髄だ。」と思わず呟いたら、「本当にそう。」と背後でご婦人の声が聞こえた。

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 古くから伝わる、落雁などの干菓子の成型用の型

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 各県の郷土菓子・土産品の展示

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 三重県下の高校の合作による力作が目を引いた。

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 あいにくの雨。
 それでも全国の菓子のお土産を買うのに行列の待ち時間は70分とのアナウンスで、「ネットの取り寄せでどこでも買えるさ」と、諦めたから土産はなし。
 
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 かくして、24日間にわたって開催され、昨日幕を閉じた「お伊勢さん菓子博2017」の入場者は、合計584,100人だったという。

 なお、わたしの記憶では、むかし学校から名古屋開催の展覧会を見に行った思い出があるが、それは1961年に愛知県庁前の広場で開催された15回展覧会だったようだ。

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 ついでに、会場内で見つけた、中央に旧伊勢市市章入り亀甲模様の汚水管マンホールの蓋






〇 今日の一献 35mm距離計連動式蛇腹カメラ フォクトレンダー ビトーⅢ

―― 高性能コンパクト35㎜カメラを目指したはずが、高級・重厚になってしまったカメラ

 フィルムメーカーの巨人コダックが1931年に発売した、装填が簡便なパトローネ入りの35mmフィルムを使うカメラとして、ドイツ・コダック社が開発したコンパクト蛇腹カメラ、レチナシリーズの成功に触発され、当時のドイツのカメラメーカー各社からも各種のコンパクト蛇腹カメラが発売された。

 その中でもビトーⅢ(VitoⅢ)は、カメラの老舗フォクトレンダー社が1939年に発売したビトーⅠを初号機とするビトーシリーズの最高級コンパクト蛇腹カメラとして、同社が開発したばかりの高性能レンズと連動距離計を初めて搭載して1951年に発売された。

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 ボディは、同社の中判カメラ ベッサⅡのように、軍艦部の操作パーツは左右対称に配置され、下に開く前蓋はかまぼこ型に曲線を描いて、全体のフォルムは丸みを帯びた女性の優雅なトルソをさえ想わせるデザインとなっている。


〇 レンズとシャッターの機構

 ボディの底にある解除ボタンを押して前蓋を開けると、油圧式でもないのに二本のレールに載ったレンズとシャッターが静々と引出されてきて、自動起立して組み上がる。

 この点、スーパーイコンタなどのようにバチンと勢い良く飛び出して組み上がらないところも、女性的で奥ゆかしい。

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 レンズは、フォクトレンダーのA.W.トロニエ博士によって1950年に開発されたばかりの、コーティングされた高性能 ウルトロン(Ultron)50mm f2.0が付いている。

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 ウルトロンレンズは、6種もの硝材を使った5群6枚構成の変形ガウスタイプレンズで、非点収差、像面湾曲、歪曲収差といった光学レンズの持つ課題を良く解決しており、初期にはレンズシャッター用に開発されたものだったが、以後発展して高級交換レンズなどに利用されていくことになる。

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 シャッターは、初期型のこのカメラにはコンパー・ラピッドシャッター(ドイツ式シンクロ接点)が装着されているが、セルフタイマーは付いていない。

 なお、ビトーⅢの後期型は、MXシンクロ接点を備えたシンクロ・コンパーとなる。
 シャッターにはレチナⅡaのように、フィルムの巻上げと同時にチャージするオートチャージ機構はないので、撮影前にはチャージする必要がある。

 速度ダイヤルは B、1、1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、1/100、1/250、1/500秒。
 絞りは、f2、2.8、4、5.6、8、11、16まで。
 
 
〇 焦点調節とフィルム巻上げ機構
 ピント合わせは、一眼式のファインダーを覗きながら、軍艦部の左にある大きな焦点調節ノブを回してレンズを前後させながら行う。

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 ファインダーは明るいものの小さくブライトフレームは少し見づらいが、フレーム中央に浮かび上がった丸い二重像を重ねることでピント合わせを行う。

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 フィルムの巻き上げは、軍艦部右にある大きなノブを回して巻上げる。 
  
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 巻き戻しは、巻き上げノブとシャッターボタンの間にあるボタンを押して逆転ロックを解除しながら、左の焦点調節ノブの上にある巻き戻しレバーを立ててを回しながら巻き取る。
 
 巻き戻し後のフィルムは、巻き戻しレバーを引き上げて軸をはずしてパトローネを取り出す。

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 裏蓋の開閉は、左両隅にあるレバーを同時に押してロックを外して行う。
 35㎜フィルムのパトローネは左室内に装填し、フィルムは左から右へ移動し右にあるスプロケットで巻き取る。

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 裏蓋の内側に付いたフィルム押えは、脱落の恐れがないスマートな設計で、平面性の確保に工夫がされた圧板が設けられている。

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 カメラの速写ケースは、スマートなデザインの60年以上経過したとは思えない上質な皮で作られている。

 この時代の蛇腹カメラの特徴として、カメラを吊り下げるためのアイレットが付いていないことが多く、残念ながらこのカメラにも無いから、速写ケースは必須アイテムとなる。

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 ところで、なぜ「速写ケース」と呼ぶのか今まで不思議に思っていたが、考えてみれば、これまでの古典カメラのボディは大きく、木製や板金製だったことから、その携帯と保護のために吊紐の付いた皮ケースに入っており、撮影時にはこのケースから取り出して組み立てて使うのが普通だったから、カメラ本体にアイレットは必要なかったとみられる。
 (もっとも、取り出し用に片サイドに皮の取っ手が付いていたが、これは撮影時のカメラ保持用ではない。)

 そのうちに、カメラがコンパクト化して中判や小型になって速写性が高まってくると、いちいちケースから取り出すのが面倒となり、カメラの前蓋を開ければ撮影ができるケースが工夫され、これを「速写ケース」と呼ぶようになったのだろうと思われる。

 なお、時代がさらに下って、ボディの剛性が高まり、より速写性が求められるようになると、カメラ本体に吊環(アイレット)を直接取り付けて紐を通しボディを携帯する、現在普通に見る姿になる。

 
〇 ビトーⅢのアクセサリー

● ボディの底の高下駄
 ビトーⅢの前蓋が下に開くことになったことから、レンズを引き出して組上げて机の上に置くと、前蓋の厚みでカメラのレンズが上を向いてしまう。

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 この対策として、同じく前蓋が下に開く中判スーパーイコンタや35mmコンテッサなどでは、裏蓋に格納した金属の舌を引出して高さを稼いでいる。

 ビトーⅢでは、ボディの底に付けた金属板を開いて、まるで高下駄のように高さを調節して水平を確保している。

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 この場合、単なる金属板だけでは芸が無いと考えたのだろう、金属板には回転する小さな円盤にフィルムの有無を表示するメモアクセサリーが付けられているのはご愛嬌だ。

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● アクセサリーシュー
 ビトーⅢにはストロボを装着するアクセサリーシューがもともと装備してなく、必要に応じて別に用意された着脱式のシューを装着するようになっていたようだ。

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 この固体には、後付工作で別機種のシューが固定されており、実利的ではあるけれど、軍艦部の美観が損なわれているのが残念だ。


○ フォクトレンダー ビトーⅢ(前期) の仕様

〇仕様 ビトーⅢ 20170505-000

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〇 ビトーⅢの取扱説明書と宣伝広告
 
 英語版の取扱説明書の一部

〇取り説 ビトーⅢ 20170505-001
〇取り説 ビトーⅢ 20170505-002
〇取り説 ビトーⅢ 20170505-003
〇取り説 ビトーⅢ 20170505-004

 ビトーⅢの宣伝広告
 
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〇 ビトーⅢの撮影例(Ultron 50mm f2の写り)

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 近くの寺院の山門
 ウルトロン(Ultron)50mm f2

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 梅と石灯籠

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 名古屋市内中村公園の「日吉丸となかまたち」

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 名古屋市内中村公園の記念館の唐風玄関

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 高架ガードを過ぎる赤い名鉄電車

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 名古屋大須観音の本殿と観音噴水


 フォクトレンダーはビトーⅢを発売した1951年前後には、敗戦後のドイツの社会・経済の混乱を振り払うかのように、満を持して相次いで新開発の高性能ウルトロンレンズを装着した35mmプロミネントやビテッサなどの独創的で高品質のカメラも発売した。

 このとき、世界初の光学機メーカーである誇り高きフォクトレンダーは、自社の戦後復興の象徴としてこれらの新製品をラインアップしたことで、大きな高揚感に浸っていたに違いない。

 しかし、ビトーⅢに限ってみても、本来、小型・軽量(コンパクト)な35mm蛇腹カメラを目指したはずだったにもかかわらず、ただでさえ堅牢なダイキャストボディに、重量のある高性能レンズや連動距離計を装着し、大きなノブなどの操作パーツを組込んだことによって、他社の同系列カメラに比べて相当高価で重厚(650g)な高級カメラとなってしまっている。

 このため、当時のユーザーからは必ずしも多くの支持が得られたカメラではなかったようで、生産量も少なかったと見られるが、かえってそのことが、現在ではこのカメラの希少価値を高めているといわれる。










〇 今日の一献 セミサイズ蛇腹カメラ 第一光学のゼノビアC-Ⅱ型

――  高級品を目指した国内中堅メーカー 第一光学

 第一光学は戦前からテッサー型レンズを装着したワルタックス(Waltax 1940年)を生産してきた岡田光学精機から、戦後の1951年(昭和26年)に改称してカメラ製造を本格化し、最盛期には450名の従業員を擁し、自社でカメラ本体やレンズ・シャッターまで一貫生産する中堅メーカーだった。

 第一光学への改称に伴い、生産するカメラのブランド名もそれまでのワルタックスから「ゼノビア」へと変更された。

 このゼノビアC-Ⅱは、ゼノビアブランドの第1号機となった1951年発売のゼノビアC-Ⅰ型に次いで、装着するシャッターをセイコーシャ・ラピッドに変更したモデルとして、同年に発売されたもので、距離計を備えていないものの、岡田精機時代のワルタックスシリーズと同じようにテッサー型の自社製ヘスパーレンズを装着した高品位なカメラになっている。

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〇 ブログ原稿 ゼノビアⅡC
 
〇 レンズとシャッターの機構
 レンズは、前玉だけが単層コーティングだが、定評のあるテッサー型の自社製ヘスパー(Hesper Anastignmat)75mm F3.5(3群4枚)が付いている。
 ちなみに、ヘスパーとは英語で宵の明星・金星を意味し、またカメラのブランド名は、かつてローマ帝国時代に中近東のシリアにあった通商都市のパルミラ王国の女王、ゼノビアから名付けられたともいわれる。

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 シャッターは、ゼノビアC-Ⅰ型の自社製ダイイチ・ラピッドから定評のあるセイコーシャ・ラピッド(コダック式シンクロ接点付き)にバージョンアップされている。

 速度は B、1、1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、1/100、1/250と最高速度が1/500秒で実用には十分だ。
 絞りは、f3.5、4、5.6、8、11、16、22まで。

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 第3群レンズはテッサーと同じく凹レンズと凸レンズの張り合わせとなっているが、コーティングはされていない。
 このヘスパーレンズの第3群第一レンズには、経年によるカビの発生などで曇りが出ていたので、表面を酸化ケイ素で磨いて除去した。

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 ピント合わせは、透視ファインダーを備えているが距離計を持たないから、被写体との距離を目測してレンズ鏡筒を回して前玉(第Ⅰ群レンズ)を前後させ、鏡筒に刻まれた距離数に合わせて行う。

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 セミ判(6x4.5cm)のフレーミングは、ガリレオ式透視ファインダーで行う。

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 ファインダーのある軍艦部には、ボティを構えた時の左に巻上げ用のノブがあり、右にレンズ絞りの被写界深度を刻んだアクセサリーノブがある。
 だから、フィルム室の右に装填した120ブローニーフィルムは、現代の35㎜カメラと違って右から左へ巻き取ることになる。
 
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 さらにシャッターレリーズがボディに付いている、いわゆるボディシャッターも軍艦部の左にあるから、撮影時には右手で保持しながらシャッターレリーズや巻取り操作も左手で行うことになる。
 
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 ノブ巻き上げのフィルム確認は、背面にある赤窓を開けておこなう。
お決まりの話だが、二重露出防止機構はないから、多重撮影をしてしまうことに注意を要する。
 なお、背面には第一光学の「D」のロゴが誇らしげに付いている。

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 前面に「ZENOBIA」のデボス加工がされた、皮の速写ケース。

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○ 第一光学のゼノビアC-Ⅱ型の仕様

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〇 ゼノビアC-Ⅱ型の取扱説明書と宣伝広告

 取扱説明書の一部

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 中村メイコ(女優)を使った、第一光学の宣伝広告

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〇 ゼノビアC-Ⅱ型の撮影例

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 名古屋中村にある太閤山常泉寺の境内
 Hesper Anastignmat(3群4枚玉)
 75mm f3.5

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 名古屋中村の常泉寺境内にある豊臣秀吉の像

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 名古屋市中村区地内

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 結婚式場の教会


 第一光学は、スプリングカメラや二眼レフカメラ、35mmカメラを製造し、当時の日本製品としては良質で、中堅メーカーとして評価されていたが、経営破綻し1955年3月になって工場閉鎖した。その後、ゼノビア光学(Zenobia Kogaku K.K. )に社名変更して操業を続けたものの、ついに1958年に再度破綻して消滅した。


● 参考 第一光学の二眼レフカメラ

  ○ 今日の一献 アルファベットの最後の名称 ゼノビアフレックスⅠ型
   ―― AからZまで、星の数ほどあった国産二眼レフメーカー 

     http://2011deko.blog.fc2.com/blog-entry-377.html






〇 尾張地方の藤の名所の一つ 江南の「曼陀羅寺公園」に行ってきた

―― 60年を経て、園内を所狭しと大きく枝を広げる藤の花の競演
 
 14世紀に開山したという西山浄土宗の古刹、日輪山「曼陀羅寺」の境内に植樹された12種約60本の藤の花が、今を盛りに垂れ咲き競っていた。

 60本というと少なく思えるけれど、1953年(昭和28年)から檀家組織が藤の名所にしたいと境内に植樹を始めたという藤は、60年を経て太い幹に育って園内を所狭しと大きく枝を広げている。

 長く続く75mの藤の棚から垂れる花房は、早咲き、普通、遅咲きと品種によって咲く時期が少しずつ違うことから、紫・紅・白の長く優雅な房や短く可憐なものまで見事に咲き競い、長い期間見頃を楽しむことができる尾張地方の名所になっている。

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 白カピタン藤や六尺・九尺藤が咲く藤の棚

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 藤は60年を経て、太い幹に育って大きく枝を広げている。

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 華麗な牡丹と九尺藤の競演

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 曼陀羅寺公園には牡丹も多い。

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 蕾は濃いが、開花すると薄い紅色の花で、遅咲き種の「本紅」

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 香りが強くブドウの房のように濃紫の花にボリュームがある、別名牡丹藤の「八重黒龍」

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 藤の咲き誇る中で各種のイベントが開催される今年(2017年)の第52回『江南藤まつり』は、5月7日(日)まで。入場料無料。

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 曼陀羅寺の第52回『江南藤まつり』の案内パンフレット

 『江南市観光協会 | 藤まつり特設サイト』
 http://www.konan-kankou.jp/fujimatsuri/


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 曼陀羅寺公園の施設案内図
 愛知県江南市前飛保町寺町202「曼陀羅寺公園」


 〇 喫茶店のモーニングサービス。
 
 ところで、尾張地方の喫茶店のモーニングサービスは有名だが、発祥の地といわれる一宮のそれは「凄い」とは聞いていたけれど、帰る途中にたまたま休憩のために寄った喫茶店のモーニングサービスは、本当に凄かった。

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 コーヒーを注文すれば、マカロニのサラダ、餡とジャムの載ったバタートースト、茶碗蒸しが付いてくる。最後の締めは昆布茶が出た。これで360円なり。

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 一般に、モーニングサービスは朝の11時ごろまでが普通だが、ここでは午前5時から午後5時の閉店までがサービス時間とのこと。

 一度は最強の一宮モーニングサービスを体験されることをお勧めしたい。




 #江南の「曼陀羅寺公園」、#第52回『江南藤まつり』、#曼陀羅寺

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