〇 今日の一献 50年前の小学校卒業式の「呼びかけ」

――― 花匂う 今日若鳥の 巣立ちかな
 
 新年早々にいただいた小学校の恩師からの年賀状の余白に、「私も90才 あと少しがんばります」とあるのをみとめて、俄かに「まだ、お元気なのだ。」という感慨とともに、もう30年以上久しくお会いしていなかった恩師の顔、声が思い出され、急速に懐かしさがこみ上げて来た。

 それで、近しい6年生の時のクラスメイトに連絡を取ったら、是非お会いしたいとの話がまとまり、急遽53年前に卒業した小学校の恩師を囲むささやかな会を開くことになった。


 日程などを決めてから、囲む会の準備に向けてわたしのライブラリーの中の資料・がらくたを漁っていたら、埃にまみれた古いアルバムや汚れた何やかの中から見つけ出したのが、この茶色に変色したわら半紙の小学校卒業式の「呼びかけ」台本だった。

 この台本は、当時どこの学校などでも広く普及していた、わら半紙に青いインクで謄写版印刷されたもので、印刷された文字の幼さから、きっと先生の指導でお手本を見ながら児童の代表がガリ版原紙を切ったものに違いない。

卒業式台本-

 それで、懐かしさのあまり資料を漁る手を止めて、台本のページを捲って読んでみた。

M1  (静かな音楽)Sl-up-BG
○ 在校生、教師、来賓、父兄入場
M1  BG-out
M2  (    )行進曲 in-up-BG
① 卒業生入場(拍手によって迎えられる。)
M2  --------- out
M3 (荘厳な気分、雰囲気を出す。)in-up-BG

② 卒業生起立
6女1,2 「卒業」
6男1,2 「卒業」
6女全員  「卒業」
6男全員  「卒業」
6女3,4 「はなにおう きょう わかどりの すだちかな」
6全体   「きょう わかどりの すだちかな」
6男3,4 「昭和36年3月」
6全体   「3月20日」
6女5,6 「胸おどる」
6男5,6 「この日」
6女7   「わたしたち」
6男7   「ぼくたち」
6男女   「三百七十余名」
6女全員  「喜びと感激で迎えた」
6男女   「この日」
6全体   「この日」
6女1   「わたしたち」
6男1   「ぼくたちの」
6女全員  「卒業式」
6男全員  「卒業式」


 今ではもう青いインクがかすれて読みづらい台本を、この辺まで読んできてふと気が付くと、わら半紙の劣化が激しくて、ページを繰るわたしの膝にポロポロと細かい紙片がこぼれ落ちていた。

 気をつけながら読み進めようと、そうっとページを繰っても、はらりとまた、わたしの膝に破れ落ちるから、これでは拙いと、ついに5ページの台本を全てスキャナーで読み取ることにした。

 今ではこうしたことが家で普通にできるし、PCに取込めさえすれば、あとは画像処理なりを行って、拡大・縮小、いかようにも読みやすく加工できるというありがたい時代となったから、おかげで処理した画像でお終いまで安心して台本を読んで、当時を思い出しながら、ゆったり懐かしさに浸ることができた。

 きっと、少しづつ一部を変えながらも、台本の内容は毎年同じだったろうけれど、今改めて読み直してみると、その時の卒業式の情景がグググッと拡大フオーカスされて蘇り思い出されるのは、わたしだけであろうか。

5男1   「では、卒業のみなさま」
5女1   「いつまでもお元気で」
5男2   「がんばってください。」
5女2   「みなさまのあとをうけ」
5男3,4 「よりよい○○をつくります」
5全体   「つくります。」
5女3,4 「卒業生のみなさま」
5男5,6 「わたしたちと歌う最後の歌」
5女5,6 「わが○○の校歌を」
M11   BG-out
⑬ 『校歌』斉唱

6男6   「では先生方」
6女6   「来賓のみなさま」
6男7   「在校生のみなさま」
6男女全員 「ご健康を祈ります。」
6女7   「心をこめてお別れの歌、仰げば尊し」
⑭ 『仰げば尊し』斉唱

5男1   「では、卒業生のおにいさま、おねえさま」
5女1   「おなごりはつきません」
5男2   「おわかれにおおくりする、この歌」
5女2   「蛍の光」
⑮ 『蛍の光』斉唱

6男女全員 「○○小学校の発展を心から祈ります。」
6全体   「発展を祈ります。」
5男女全員 「みなさんお元気で」
6男女全員 「さようなら」
6全体   「さようなら」
M12   (静かな行進曲) in-up------------

⑯ 卒業生退場----拍手で送る在校生-----------


 驚いたことに、次の日が春分の日の祝日ということもあってか、今年も当地域の小学校の卒業式は3月20日に開催されるという。

20140225-02_edited-1.jpg

 ところで、この小学校の資料によると、明治6年に開設して、昨年創立140周年を迎えたこの伝統ある小学校は、開設当時の児童数62人からスタートし、団塊の世代のわたしたちがこの学校へ入学したばかりの1956年(昭和31年)には在籍児童数、2,833人を数えるピークを記録したそうだ。

 そして、わたしたち(1961年370人)の卒業後の1964年(昭和39年)になると、1,153人(-59.3%)へと半減し、近年の少子化と地域の高齢化の結果、2013年(平成25年)現在では、わずか194人にまで激減しているが、これは全国的な傾向であって、なにもこの小学校だけに限ったことではないようだ。

 なお、現在の母校の在校生194人は、1クラス当たり平均27人で、4年生の2クラス以外は全て1クラス、冷暖房付のビル校舎、ゆったりとした広い校庭という恵まれた環境で学ぶ。

 このため、かつての在校生のピーク時には1クラス54人で、木造スレート葺きの臨時のバラック校舎、講堂をベニヤ板で間仕切りした教室、1年生の午前・午後に分けた二部授業などが行われていたことは、今ではもはや遠い昔の伝説となってしまったのではないかと思う。


(ものはついでと、この台本を画像からテキストに起こしたものを以下にUPしたので、ご関心のある方は開いてお読みいただきたい。)

続きを読む

最新記事
カテゴリ
プロフィール

2011deko

Author:2011deko
でこちんの
  『いつか ありしこと。』
   のブログへようこそ!
(掲載写真は、クリックする
と、拡大写真になります。)

性 別:男性
住 居:愛知県
趣 味:ブログのカテゴリー

天気予報

-天気予報コム- -FC2-
月別アーカイブ
来場者数
検索フォーム
リンク