〇 今日の一献 老年にやさしい、今も現役の中型カメラ スーパーイコンタⅤ

―― 蛇腹カメラ ZEISS IKON SUPER IKONTA 532/2 後期モデル

 前にも書いたけれど、歳で体力が衰えつつある身のわたしには、交換レンズ機能や各種の自動機能を備えた高性能の中型カメラをフィールドで使うのには、あまりにも身体に負担が大き過ぎる事をこのごろ痛切に感じるようになってきた。
 第一、そうしたシステムカメラを使う以上、標準、あるいは広角レンズ一本で済まそうとするのはいかにも間が抜けているような気がして、どれだけ使うかは別としても、粋がって出かけるときには結局、交換レンズとかフィルムバックとかとそれに付随したアクセサリー類をバッグに詰めて携行することになれば、己の首や肩への荷重は計り知れないものになるからだ。

 しかし、だからといって、デジタルカメラ全盛の今も、6×6や6×9㎝の中型画面のフィルムカメラが写し出す、裸眼で見たものに近い立体的な画像の魅力には勝てないものがある。

 そうして考えて来ると、中型の画面を確保しつつも、折畳むとコンパクトになって携行に楽で、もともと潔く標準レンズしか付いていないから、他のレンズにまで色気を出さずに済む、ふた昔も前の蛇腹カメラに行きつくことになる。

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 その蛇腹カメラ(スプリングカメラ)の内でも、今年で丁度60年前の1953年に、旧西ドイツのツァイス社から発売されたスーパーイコンタⅤ型は、1934年のⅠ型の発売以来、25年間にわたり改良を重ねながら製造された、スーパーイコンタ・シリーズの後期モデルで、老年にやさしい、コンパクトで今でも現役として使える中型カメラなのだ。

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 戦後生産のこのV型のレンズは、コーティングされたカールツァイス・オプトンのテッサー (Zeiss Opton Tessar(オプトンは、旧西独の地名))105mm F3.5(3群4枚)が付いているから、光の透過率も高くカラーフィルムにも十分に通用できる。

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 前にも書いたように、このカメラの二つ名が、「招き猫」といわれる楔型回転プリズムによるピント合わせ機構(ドレー・カイルプリズム方式)で、大変正確で狂いが少ないのが特徴だけれど、なにかの必要に迫られてこれを分解しようとするときには細心の注意を要する。

 この「招き手」の中には一連の複雑な歯車のセットと2枚の楔状の円形プリズムがあり、撮影レンズの上のピントノブを回すと、レンズの前玉が回転しながら繰り出すと同時に、この2枚のプリズムがそれぞれ逆方向に回転するようになっている。

 だから、闇雲に分解すると、そのプリズムの本来の組み合わせが分からなくなる。
 わたしは、初めて分解した時に、後で適正位置を探すのに長時間をかけ大変苦労したが、今は分解する前に、無限遠時のプリズムに前後から油性ペンでマーキングをしておけばよいことに気が付いた。

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 このⅤ型スーパーイコンタには、最高速1/500秒のシンクロコンパ―(Synchro Compur)シャッターが付いている。
 MX接点を切換えるレバー付は、画像の右上10時の位置の緑色のレバー。その隣にシンクロ接点がある。セルフタイマーは、12時の位置にあるボタンを引きながら、11時の位置のシャッターレバーを一杯に回す。

 シャッターの分解は、多分時計の分解と同じように機械好きにはたまらない魅力だろうけれど、慣れない者ができる範囲は自ずと限られている。試行錯誤のための十分な時間とスペア部品が豊富にないならば、これ以上、なお分解を進めたいとの誘惑に勝って、どこで撤退するかを予めわきまえておくことが必要だ。
 (ある日、小学6年の子供が、ばらばらになった目覚まし時計の部品を大人からもらって、テンプ式の時計を振子式で組み立てなおしたことが、その子のその後の人生に妙な自信となることがある。)

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 このスーパーイコンタは、1934年の発売以来、高級スプリングカメラとして1959年頃まで生産が続けられた、当時人気のあるカメラだったから、最終モデルまでにはさまざまな改良がされた。
 例えば、シャッターはシンクロ接点付きとなり、シャッターボタンはシャッターの傍から軍艦部に変更された。また、フィルムの巻上げノブも、下部から上部に移り、併せて二重撮影防止装置が加えられている。

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 また、裏蓋にあるフィルムの巻き上げ確認の赤窓には、スライド式のカバーが付いたので、光線漏れを起こす怖れは最小限となった。
 (しかし、現在生産されているブローニーフィルムは、その後普及したオートストップの巻上げ機を想定してフィルムの裏紙が薄く、またカラーフィルムの使用が一般的であるから、赤窓を開くときは光線漏れに注意するに越したことはない。)

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 通常撮影サイズの6×9cmを、このカメラも中枠を取り付けることで6×4.5cm判の写真が撮影できるようになる。(左上のイコンタは、中枠を嵌めたもの。)

 6×4.5cm判が撮れるということは、撮影枚数が8枚から16枚となることであり、頻繁にフィルム交換をしなくても済むことになる。(裏紙のない240ブローニーフィルムは使えない。)
またその上に、6×9cm判の標準レンズ相当の105mmレンズの一番性能が発揮できる中心部分を目一杯使用して、ポートレートなど中望遠のレンズ画角の撮影ができるようになるということを意味する。

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 さらに詳しくは、
 〇 今日の一献 「招き猫」の二つ名を持つ スーパーイコンタⅠ 初期モデル
  ―― 蛇腹カメラ ZEISS IKON SUPER IKONTA 530/2

 (http://2011deko.blog.fc2.com/blog-entry-260.html)
                        を参照いただきたい。


〇 カールツァイス・オプトンのテッサー(105mm F3.5)の写り


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 上高地から見る穂高連峰
 1/250sec・F11
 フジクローム120 Velvia 100F ISO100
 Tessar 105mm F3.5

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 上高地の河童橋から見る穂高連峰
 1/250sec・F11
 フジクローム120 Velvia 100F ISO100
 Tessar 105mm F3.5

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 上高地の大正池と焼岳
 1/250sec・F11
 フジクローム120 Velvia 100F ISO100
 Tessar 105mm F3.5

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 地元の村社の境内
 1/250sec・F11
 フジクローム120 Velvia 100F ISO100
 Tessar 105mm F3.5

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 奈良興福寺の五重塔
 1/100sec・F8
 フジクローム120 Velvia 100F ISO100
 Tessar 105mm F3.5

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〇 卯の花の匂う垣根に、、、、夏は来ぬ

 卯の花といっても、「おから」の話ではない。
 この季節、昔者のわたしは、卯の花と聞くと昔の小学校唱歌「夏は来ぬ」の歌詞が思い出される。

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 卯月(旧暦4月)に咲く花の意の卯の花は、ウツギ(空木、学名:Deutzia crenata)の花の別称で、この時期(5月から7月にかけて)白い美しい花をつけ始めると、いよいよ夏だと思わせる。
 また、ウツギは、木の芯に発砲スチロールのような素材が詰まっていて軽いから、中が空だという意味で空木とされたとも言われる。


 ○ 小学校唱歌「夏は来ぬ」(佐々木信綱:作詞 小山作之助:作曲)
   卯(う)の花の、匂う垣根に
   時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて
   忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ


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〇 まさに、天然のさくらんぼ

 サクランボ(桜桃)は、初夏の味覚であり、山形県が産地として有名だ。
 花を愛でるサクラでは実は大きくならないから、サクランボがなる果樹はミザクラという種類で、普通は栽培されている。

 わたしがいつも立ち寄る100円ショップの駐車場には、隣の家から枝が大きく張り出したサクラの木が2本あって、先日は花を楽しんだ。

 暫くして立ち寄ったら、農薬もかけず何も手入れされていない天然のサクランボが張り出して、駐車しようとするわたしの車の邪魔をしていた。

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 あまり邪魔なので、取り除こうと幾つか摘んで口に入れたら、ほろ酸っぱくておいしかった。
(後ろのマンションの、同じように張り出していた南京ハゼの大きな木は、太い幹から切られていた。)


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〇 名古屋の熱田台地の最南端

 名古屋市内には、市域のちょうど真ん中に、熱田台地と呼ばれる南北に長く連続する台地がある。

 それは左を向いた象の顔に形が似ている。象の頭に当たる北の端には名古屋城があり、そこから南に象の鼻が長く続き、その鼻の南端に熱田神宮が鎮座している。

 昔はこの台地の端までは海が迫っていたが、やがて長い年月をかけて海岸線が後退するとともに、山から川で運ばれた土砂の堆積作用で土地が広がって、今の景観が出来上がったそうだ。

 (象の体は東の丘陵地に続き、江戸時代には西側の象の顔から鼻に沿って、名古屋城から熱田まで水運用の堀川が掘られた。)

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 その熱田台地の最南端のここでは、今も2mほどの海岸段丘の痕跡をとどめている。

 名古屋市熱田区 白鳥橋東交差点付近


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〇 3年目の、、、浮気でなくて。胡蝶蘭の開花

 今まで何度も胡蝶蘭を育てたことがあるけれど、いつも冬越しに失敗して枯らしてしまい、がっかりする連続だった。
だから折々に記念に頂いた大きな鉢も、送り主にはずいぶん失礼なことをしてきたという悔いがある。

 しかし、3年前に家の改装をしたときにお祝いに頂いたこの鉢は、今年も3年続けて花を咲かせることができてほっとしている。

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 なぜ室内の冬越しに成功するようになったのかの理由は簡単で、今まで根が乾いて葉が萎れて来ると、かわいそうだからと水やりをした結果、根腐れして枯らしてきたから、今は、晩秋に入ってから次の春までは、どれほど葉が萎れて根が水を求めて空中に伸びてきても、心を鬼にして決して水をやらないようにしただけのことだ。


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